僕なりの客としてのあるべき姿
僕は自慢なんか絶対にしたくない。
その内容がどんなに立派なものだったとしても、それを声高らかに自慢げに言った瞬間に小さい人間だなと思ってしまう。だから、今から話すのは決して自慢ではないということを覚えておいていただきたい。
僕は今までの人生で記憶のある限り、なるべく店員には丁寧な対応をしてきた。たとえ店員がどんなに態度が悪くても。
これにはたぶん僕の性格的な部分も少しは影響しているとは思う。偉そうな態度をそもそも取れるような鋼メンタルじゃないし。ただ、それだけでこんなことを続けているわけではない。
理由はただ1つ。貰ったものと同じだけのものを返さないと気持ち悪いから。
もうちょっと分かりやすくする。
大体の店員さんは優しく親切に接客してくれる（一部を除いて）。物を売る店なのにサービスまで考えて接客してくれていることが多い。本来ならばモノを売ることが真の目的。応対の質は直接は売り上げに影響しないのに。それを考慮すると、こちらもお金以上の対応をしようとつい思ってしまうのである。なるべく腰を低くし、何かしてもらう度に感謝するよう心がけている。命令なんてしないし、店員に不快感を与えないことを意識している。
もし仮に僕が客という立場を良いことに偉そうな態度を取ったら、こういう図式になる。
give： 金
take： 商品 ＋ サービス
これでは等価交換とは言えない。だって金と商品でプラマイゼロになり、店員のサービス（接客）分を余分にもらっているから。客側が貰いすぎていることになる。僕的にはこれではなんか気持ち悪い。
ここで、自分も丁寧な客になったとする。するとこうなる。
give: 金 ＋ 丁寧さ（感謝）
take： 商品 ＋ サービス
これだと、どちらか一方が損をすることが少ない。表面上ほぼ同等の交換がとりあえず成り立つ。
お気づきかもしれないが、これはただの僕の自己満足である。尽されるより尽くしたい、貰いっぱなしは気が収まらないという個人的な感情からこんなことをしている。
僕も飲食店でバイトをしているので、店側がいかに客のことを考えて働いているかもよく分かる。「お客さまは神様」とまではいかないしそれは少々やり過ぎだと思うが、それに近いサービスを常に提供しているのは事実。どんなに忙しくても、イライラしていても大体の店員さんは丁寧な接客をしている。たぶん、日本全国的に。
だからこそ、「俺は客だぞ！」的な態度を取る人間はかなり苦手である。店員側が「相手はお客さまだから」と言うならまだしも、本人であるお前が言うなよ！と言いたい。店員の態度も悪かったり、店側に落ち度があるならまだギリ許せる。が、客が偉そうにしている場面って、大体店員は丁寧な接客をしているし、ミスしているわけでもない。勝手に怒っているだけがほとんど。
こんなひとに遭遇する度にこちらがイライラしてしまいそうになる。が、そんな赤の他人相手にいちいちストレスを抱えたくはない。だから、こう思うことにした。客という立場を利用しないと偉そうに出来ない残念な大人なのね～、と。
