内向型の人「質問する」のが苦手説
どうも、ダービーです。
突然ですが、あなたは質問するのが得意ですか?苦手ですか?いや、正確に言うと、どうってことない or 苦手と言うべきでしょうか。
質問する場面というのは案外たくさんあるものです。
・仕事において分からないことを上司に聞く
・学校で先生に質問する
・就活で採用担当の人に質問する
・グループディスカッションや会議で質問する
‥‥などなど。
「質問する」ことに苦手意識を持たない人にとっては、チョロいことでしょう。ただ、世の中には一定数苦手意識を持つ人がいるのも事実です。
じゃあ、どんな人が苦手だと感じやすいのか。
ここで僕が立てた仮説が、内向型人間は質問するのが苦手説です。
なぜなら、内向型の特徴には、質問することの妨げになっていると考えられる要素がいくつか見られるからです。ただし、もちろんこれだけが原因というわけではないので、質問が苦手=内向型とは言えません。
今回は、内向型の人は質問するのが苦手説を、内向型の特徴と照らし合わせながら考察していこうと思います。
と同時に、内向型の人でも容易に質問できる条件もまとめました。
もくじ
質問が出来ない人の一般的な原因
まずは、一般的に考えられている、質問が出来ない原因に触れていきます。
①興味・関心がない
どんなことにも、必要最低限の興味・関心がないと質問はできません。なぜなら、質問とは知りたいことを知るため・疑問を解消するためにあるからです。
知りたいという気持ちがゼロでは質問ができるワケがありませんし、疑問も生まれません。
②予備知識が全くない
ある程度の知識がないと、質問するのは至難の業です。何が分からないかが分からないから。
例えば、ド文系でセンター試験は地学と生物です(まさに僕)、という人が物理学の論文発表を見せられても、何一つ質問は思い浮かびません。浮かんだとしても、「この言葉の意味は何ですか?」程度。
③全て鵜呑みにする
言われたことを100%信じる赤べこみたいな人は、当たり前ですが質問なんてありません。
「◯◯です」と言われたものを「◯◯なんだ」と信じて疑わないわけですから、疑問が生まれる余地がないのは明らかです。
④分かった気になってる
自分の頭を働かせていないという点においては、鵜呑み型と変わりません。
全て理解した気になっていては、本来気づく疑問点も見逃してしまう可能性が高いでしょう。
内向型の特徴と質問出来ない理由
ここでは、内向型の特徴を挙げながら、質問するのが難しい理由について考察していきます。
人一倍周りに気を使う
内向型は良くも悪くも人の気持ちに敏感です。
こう言うと相手はどう感じるかな?と自然と考えてしまい、思った事をすぐ行動に移すことなく躊躇してしまいます。
例えば、仕事で上司に聞きたいことがあっても、「忙しそうだから今聞くと迷惑かな」という思考が働き、気軽に質問はできません。
まずは自己解決を試みる
人を頼るということをなかなかしないのも特徴です。まずは、自分で解決しようとします。
身近なところで言うと、内向型の人が何か新しいことにチャレンジする時には、まず徹底的に調べる傾向があります。僕がこのブログをやろうと思った時も、ひたすらググってどんな手順で始めるのか、どんなリスクがあるのかなど、十分に調べてから始めました。
また仕事という場面に置き換えると、上司に聞く前にまずは自分で解決できないか試行錯誤する傾向があるといえます。
まあ、聞くのが一番早いって頭では分かっているんですけどね。
レスポンスが遅い
内向型は、思考を言語化するまでが長い傾向があります。
まずは頭で考え、それを言語化して、最終的に伝わりやすいように整理してから発言します。
ここが外向型との大きな違いです。外向型は、話しながら考え、考えながら話すことが比較的得意です。いわゆるアドリブです。
学校なんかでは、質問を求められることが多々ありますよね。「何か質問はありませんか?」ってな具合に。最悪の場合、特定の人を当てて強制的に質問させます。
この状況を特に苦手としているのが、内向型です。
いきなり当てられても、すぐにパッと発言するのは難しくなります。なんせ、先程示したように、考える→言語化する→整理するという過程を踏むことになるから。
これは、内向型の脳の構造からも説明できます。
まず外向型と内向型では、脳内の血液の経路が違います。
外向型の血液は、短くてさほど複雑でない経路をたどり、視覚や聴覚・触覚などの外的な感覚情報が処理される各部へ運ばれます。
対して、内向型の血液は、長く複雑な経路をたどり、記憶や問題解決・計画・思考などの内的経験にかかわる各部へ運ばれます。
また、この二つの経路はそれぞれ異なる神経伝達物質を必要とします。
外向型の経路はドーパミンによって活性化されます。
しかし、外向型は大量のドーパミンを必要とするので、アドレナリンの放出によって足りない分のドーパミンを作り出します。アドレナリンは交感神経系が働くことで放出されるので、外向型の人は活動的になればなるほど、快感を得られます。
内向型の経路はアセチルコリンによって活性化されます。
アセチルコリンは、穏やかな覚醒を維持したり、長期記憶する力に影響を及ぼします。また、アセチルコリンの放出は副交感神経系と深く結びついており、何か考えたり感じたりする時に快感を引き起こします。(ドーパミンに対する感度は高いので、それほど必要としません)
・交感神経系
例えるならばアクセル。活発な活動や好奇心を抱いた時にこのシステムが働く。
・副交感神経系
例えるならばブレーキ。休息・消化システムとも呼ばれ、内部への注意力・思考力の向上が可能に。
要約すると、こうなります。↓
つまり、内向型は神経伝達物質の経路が長いからレスポンスが遅くなるのです。
一度自分で考える
思い浮かんだ質問を一度吟味する傾向があるような気がします。
これは聞くべき質問なのか、よく考えたら聞くまでもない質問ではないか‥‥。自分で考えるというフィルターを一旦通すので、浮かんだ質問の中でも、ショボいものは却下されることが多かったりします。
これにはいくつか理由があります。
僕個人の話になりますが、まず浅い質問はしたくありません。普段から意味の無い世間話が嫌いなだけあって、どうせ質問するなら質の高いものにしたい欲が異常です。だいいち、質問内容はその人のレベルを測るきっかけになり得るので、慎重にならざるを得ません。
また、完成するまで外に出さない傾向があることも一つの要因です。「途中経過を定期的に見せて!」が苦手な方もいらっしゃるのではないでしょうか?熟考に熟考を重ね、満足できるものだけを、発言という形に整理して初めて外に出したりするわけです。
内向型でも容易に質問できる条件
ここからは、内向型人間でも質問が難なくできる場合について考えていきます。
①知識が十分にある
内的経験に注意を向ける内向型は、すでに述べたように思考や感情・記憶といった部分に精力を注いでいます。
つまり、自分の知っている知識・分野に関しては、周りがドン引きするほどの知識量と熱量で熱く語ることが可能です。オタクと内向型の結びつきが強いのも、こうした理由からかもしれません。
知っている分野となれば、内向型にとってまさにホームグラウンド。自然と質問が湧いてくることでしょう。
②考える時間がたっぷりある
考える時間さえちゃんと確保できれば、質の高い質問を投げることも容易になります。
反対に、学校などで当てられて強制的に質問を引き出される場を最も苦手としています。このような瞬発力を求められる環境は、内向型にとって地獄そのもの。考えただけでも恐ろしい。
③強制されない
②とかぶる部分もありますが、質問を強要されないことが必須です。
上述したように、内向型はアセチルコリン経路で副交感神経と結びつきが強いのですが、緊急時であればあるほどこの特徴が強く見られます。
例えば、交通事故に巻き込まれた時。緊急時、内向型は動かずに現状を把握・思考に時間を割きます。一方、外向型はすぐ外に飛び出して解決しようと試みます。
つまり、思いも寄らない出来事が起きたとき、内向型は頭が真っ白になって固まることが往々にしてあるということです。これは、先生に当てられた時も同じ。
個人的な本音を言うと、「質問あるときは自発的にするから、わざわざ当てんな」といったところ。
まとめ
今回は、内向型の人って実は質問苦手なんじゃないか説について、根拠を基に考えていきました。
見てもらったら分かるように、どちらかというと、仕事よりも学校という場における「質問」が苦手なような気がします。
だって、上司にとって主目的は仕事をすること。分からないことがあれば聞いてというスタンス。それに対して、教師は授業を成り立たせるのが目的。本心としては、質問が飛び交ってより充実した授業にしたいので、むしろ質問を欲しています。
学びの場には積極性が大切と言われ始め、今ではアクティブラーニング・ディスカッションが行われていますが、それを強要するのはお門違い。それじゃ、受け身と大差ありません。
積極性・自発的を求めるのであれば、無理矢理そっちに持っていくのではなく、自発的な発言・行動をしやすい環境を作ってあげることが大事なんじゃないか、と思う今日この頃です。
以上。